『平塚市史13上』別編寺社(1)

　当社ではこの程、神奈川県平塚市の編集・発行になる『平塚市史13上』別編寺社(1)を製作いたしました。
　本書は市内10地区の寺社のうち7地区を各章題とし、寺社の成立から歴史、現在までを網羅された1冊です。
　編集を担当したデジタル業務部では、お客様のこだわりに合わせて、図版や付図の作成方法、凡例表記などを細かく打合せしました。特に寺社の棟札や石仏の図版は文字だけで表記するのではなく、その形や梵字、記号に至るまでを忠実に再現し、わかりやすい図版としました。
　また、表紙素材に採用されている「布団縞」という縦縞柄は、戦前に普段着や農作業着として家庭内で織られていた木綿織物を再現したもので、朱色の箔押し文字と相まって見た目にも鮮やかで印象深い市史に仕上がりました。
この「布団縞」の織物は既製品として入手不可能であったため、前回発行巻の端切れをお借りし、同じ柄が織れる織元を探すとことからお手伝いさせていただきました。
　各地で市史編さん事業が縮小されている昨今ですが、平塚市様が伝統的なかたちで製作されていることはとても価値のある事です。河北印刷の持つ造本技術を発揮できた製品になったのではないかと思います。